- IELTSってどんな試験?
- 留学するならIELTSが必要なの?
- 試験を受けるのにパスポートが必要って本当?
みなさんは、英語試験のIELTS(アイエルツ)ってご存知ですか?
英語の試験や資格検定と聞いてすぐに思い浮かぶのは、英検・TOEIC・TOEFLなどですよね。
日本では、IELTSをぱっと挙げられる人は、まだ少ないかもしれません。
しかしIELTSの受験者数は日本でどんどん増えているんです。
今回は、今注目の英語試験『IELTS』について解説していきたいと思います!
Contents
英語の資格試験『IELTS』とは
IELTS(アイエルツ)、正式名称は『International English Language Testing System』です。
英語圏への海外留学や仕事、移住を希望する人たちの英語力の証明として使え、世界で年間300万人が受験し、140ヵ国・合計10,000機関に認定される国際的な英語能力試験です。
運営はケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationの共同で、イギリスの団体が運営母体となっています。
さらに、日本では2019年3月27日よりコンピューターで受験する『IELTS(CDI:Computer-delivered IELTS)』も始まりました。
試験の内容・採点基準・試験時間は、従来のIELTSと全く同じで、IELTS(CDI)で発行される成績証明書も、同じように使うことができます。
IELTSには2種類のテストがある
IELTSには2種類のテストがあり、目的に合わせて選ぶことができます。
留学に必要な英語力を評価する目的のアカデミック・モジュールと、学業以外の研修や移住のための英語力の評価を目的とするジェネラル・トレーニング・モジュールです。
それぞれの特徴を見ていきましょう!
アカデミック・モジュール
アカデミック・モジュールは、留学に必要な英語力を評価する目的のテストです。
受験生の英語力が、大学や大学院などの教育機関に入学できるレベルに達しているかの評価に用いられます。
主にイギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどの英語圏の教育機関では、入学基準としてアカデミック・モジュールのスコアが使われています。
試験内容もアカデミックと名のつくだけあって、学術的な問題が多いのが特徴です。
ジェネラル・トレーニング・モジュール
ジェネラル・トレーニング・モジュールは、英語圏での就職や移住のための英語力の評価を目的とするテストです。
イギリス・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドへの移住を申請するかたは、こちらの試験を受ける必要があります。
こちらは日常生活にまつわる問題が多く、難易度もアカデミックに比べると比較的易しく感じます。
試験構成
試験はアカデミック・ジェネラルともに、リスニング・リーディング・ライティングの筆記試験と、面接によるスピーキングの4つのテストで構成されています。
IELTSは英語の試験では珍しく、記述式の試験です。
スペルまでしっかりとチェックされるので、単語1つ1つを綴りまで正確に書く必要があります。
解答はしっかりと読める字で書きましょう! 答えは合っているのに読めないために不正解と採点されてしまっては、もったいないですからね!
リスニングとスピーキングの問題は、アカデミック・ジェネラル両共通のものになります。
ライティング
【ライティング 全2問 / 試験時間 60分】
2つのタスクに分かれています。
タスク1では150語以上、タスク2では250語以上書く必要があります。
採点は『質問に答えているか・一貫性はあるか・語彙力・文法』の4つの評価基準に基づいて行われます。
- タスク1 …… グラフや表、図形を分析し説明する (150語以上)
- タスク2 …… 題材に沿ったエッセイを書く (250語以上)
どちらのタスクでも改まった文体で書く必要があります。
- タスク1 …… 題材に沿った手紙を書く (150語以上)
- タスク2 …… 題材に沿ったエッセイを書く (250語以上)
タスク1ではフォーマルな文体を求められる場合があります。
タスク2では、アカデミックのタスク2ほどの改まった文体は求められません。
リーディング
【リーディング 全40問 / 60分】
選択問題・正誤問題・記述式など、さまざまなタイプの問題が出題されるため、幅広いリーディング力が問われます。
学術的なトピックを扱った長文が3つ出題されます。
図形やグラフ、イラストなどが含まれる場合があります。
文章は、書籍・専門誌・雑誌・新聞などから引用されています。
3つのセクションに分かれています。
文章は、書籍・雑誌・新聞・広告などから引用されています。
- セクション1 …… 英語圏での日常生活に関連した2~3の短文
- セクション2 …… 仕事に関連した2つの短文
- セクション3 …… 一般的なトピックを扱った長めの文章
リスニング
【リスニング 全40問 / 約30分(解答転記時間10分)】 (アカデミック・ジェネラル共通)
4つのセクションに分かれています。
どのセクションも音声は1度きりです。
- セクション1 …… 2人の人物の日常のやりとり
- セクション2 …… 日常生活にあるものの説明
- セクション3 …… 教師と生徒などの、複数名での教育現場においてのやりとり
- セクション4 …… 大学の講義など、学術的なテーマ
スピーキング
【スピーキング 11分~14分】 (アカデミック・ジェネラル共通)
スピーキングは、試験官との1対1の面接形式になります。
3つのパートに分かれています。
- パート1 …… 自己紹介と日常生活に関する質問 (4~5分)
試験官の自己紹介と、受験者の本人確認。
仕事・趣味・家族・住んでいる街などの、身の回りのことについて質問されます。
- パート2 …… タスクカードに沿ったスピーチ (3~4分)
試験官からトピックと言及すべきポイントが書かれたタスクカードが渡されます。
メモを取るための鉛筆と紙が与えられ、1分間の考える時間がとられます。
その後約2分程度のスピーチを行い、試験官からトピックについて1~2問の質問がされます。
- パート3 …… パート2のトピックについて、試験官とのディスカッション (4~5分)
パート2のトピックについて、試験官からより掘り下げた質問がされます。
スピーキングテストの流れは、こちらの動画で確認できます! レベル別の動画になっているので自分の現在の会話レベルを確認してみたり、他の英語試験のスピーキングテストとも比較できますよ! 事前に確認して、テストの雰囲気をつかんでおきましょう♪
評価方法・配点
試験結果には合格・不合格の判定はありません。
1( 非ユーザー) から9(エキスパート・ユーザー)まで、0.5きざみのバンドスコアで評価されます。
総合評価としてのオーバーオール・バンド・スコアと、各科目のバンドスコアが与えられ、オーバーオール・バンド・スコアは、4つの科目の平均点で決まります。
バンドスコアは、筆記テスト当日を含め、2年以内有効です。
日程・申し込み方法・受験料
IELTSは全国16都市で、ほぼ毎週実施しています。
ただし、実施会場は試験日により異なります。
申し込み・受験には、試験当日に有効なパスポートが必要となります。
パスポート以外の身分証明書は認められていないので、持っていないかたは早めに取得しましょう。 持っているかたは有効期限が切れていないか、必ず確認してくださいね!
日本でのIELTSの申し込みは、公益財団法人日本英語検定協会、もしくはJSAFから申し込みます。
受験料は25,380円(消費税込)です。
コンピューターで受験するIELTS(CDI)は、専用のサイトからの申し込みが必要です。
申し込みの前に、『Computer-delivered IELTS ― コンピューターで受験するIELTS』で詳細を確認してみてください。
IELTSの気になるあれこれ
IELTSの内容について、ここまで解説してきました!
続いて、実際にIELTSを受ける際に気になるであろうポイントについても解説していきます!
必要スコアはどれくらいなの?
留学に必要なスコア
留学に必要になるスコアは、各教育機関によって異なります。
必要なスコアとしてオーバーオール・バンド・スコアのほかに、特定の科目での最低得点が設定されている場合もあります。
一般的な大学では、オーバーオール・バンド・スコア6.0~6.5を基準としていることが多いです。
難易度の高い大学や大学院への留学となると、オーバーオール・バンド・スコア7.0以上に加え、各科目のスコア6.5以上といった最低スコアが定められていたりもします。
これらのスコアはあくまで目安ですので、自分が留学を希望する教育機関の求めるスコアをしっかりと確認しましょう。
移住に必要なスコア
IELTSでどの程度のスコアを取れば永住権が申請できるのか知っておきたいですよね。
しかし移住の条件は、国や州によっても違います。
そして永住権の申請には語学力のほかにも年齢や学歴・職歴といったものが総合的に判断されるため、人によって必要なスコアも変わってくるのが実情です。
また永住ビザの要件や求められるIELTSのスコアは毎年変わるため、最新情報をしっかりと確認してください!
IELTSとTOEFL、どっちを受けたらいいの?
IELTSもTOEFLも英語圏の教育機関へ留学する際の英語力を測るためのもので、どちらのテストも世界の百数十カ国で認定されている、国際的に広く認知された試験です。
では留学にあたり、どちらの試験を受けたらいいのでしょうか?
それにはまず、留学する国によって変わってきます。
おおまかに言うと、イギリスやオーストラリアへの留学であればIELTS、アメリカへの留学であればTOEFL iBTのスコアを求められることが多いです。
しかし最近ではアメリカでもIELTSが利用できる教育機関が増えていて、3,000以上の教育機関でIELTSが採用されています!
教育機関によってはIELTSのみ・TOEFLのみしか利用できないところもあるので、出願の際はどちらのスコアが求められているのか確認しておくことが重要です。
志望校が両方のスコアを採用している場合には、模試などを利用してどちらのテストが自分に合っているか確かめてみるといいですね!
試験方法や問題の傾向などかなり違いがあるので、自分が得意な方を選択してみてください♪
イギリス英語で解答しなきゃだめ?
はじめにご紹介したように、IELTSはイギリスの団体が母体となっている試験です。
イギリス生まれの試験なので、イギリス英語で解答しなければならないのか心配ですよね。
ですが、解答はアメリカ英語でも問題ありません。
イギリス英語にあまり馴染みがないかたでも、安心して解答することができますね。
ただし試験の中ではイギリス英語独自の表現やスペルが使われていることもあるので、知識としてアメリカ英語とイギリス英語の違いを知っておくといいかもしれませんね!
またリスニングではイギリス英語に限らずさまざまな国の英語話者や、英語を母国語としない人たちが話す英語が出てきます。
色々な国のアクセントを聞き取れるようにしておくといいでしょう!
IELTS、TOEIC、TOEFL、英検
他にも英語の資格や検定試験はたくさんあります。
進学(留学)したい、就職したい、それぞれの目的のためにはどの試験を受ければいいか、こちらの記事でまとめていますよ!
まとめ
英語の資格試験、IELTSの概要はつかめたでしょうか?
留学のためのアカデミックモジュールと、移住のためのジェネラル・トレーニング・モジュール。
目的に合わせて選べる2つのテストの違いを知って、試験対策をたててみてくださいね。
また、「今すぐにではないけれど将来的に海外へ移住したいな~」といったかたも、力試しとしてIELTSを受けてみることをおすすめします!
海外で実際に通用する英語力を測ることができるIELTS。
ぜひ挑戦してみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!